【視点】陸自配備、円滑な市有地提供を

 石垣市は防衛省に対し、陸上自衛隊配備計画の予定地となっている平得大俣の市有地を売買と賃貸で提供することを決めた。施設整備予定地は売却、残りの部分は賃貸の方針だという。今後、市議会に市有地売買の承認を求める議案が上程される予定だ。
 陸自配備予定地では防衛省が買収した民有地で駐屯地建設に向けた用地造成工事が進んでいる。隣接する市有地は長く宙ぶらりんの状態が続いていたが、市がようやく一定の方針を打ち出したことは歓迎したい。
 防衛省は当初、配備予定地の市有地をすべて買収したい意向だった。賃借にすると、将来、自衛隊に対し否定的な市政が誕生した場合、用地の返還を求めるなどのトラブルが起こる恐れがあるためだ。
 一方、市としては賃貸することで継続的な収入を見込むことができ、さまざまな市民サービスの財源に活用できる。加えて「市民の土地を売り渡すのか」という自衛隊配備反対派の反発も一定程度和らげることができる可能性がある。
 今回の市有地処分案は、施設整備予定地を「駐屯地施設の安定的な運用を行うために必要不可欠な範囲」と認めて売却し、演習地として手付かずになるとみられる残りの土地を賃貸する、いわば妥協案となった。穏当な決着であると評価したい。
 駐屯地建設地の賃貸は既に与那国町の沿岸監視隊で前例があり、町は賃貸料を給食費無料化に活用している。市も今後、多くの市民のニーズが高い施策を洗い出し、賃貸料の有効活用に向けた検討を進めてほしい。

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