【視点】安保60年 意義大きいが課題も

 現行の日米安全保障条約が署名60年を迎えた。日本と東アジアの安定に日米同盟が果たしてきた役割は大きく、日米安保が戦後日本の平和と繁栄の礎となってきたことは、動かせない事実だ。
 一方で、国土面積の約0・6%の沖縄に在日米軍専用施設の約70%が集中する問題が重くのしかかっている。沖縄の米軍基地負担軽減は喫緊の政治課題だ。
 しかし沖縄を取り巻く国際情勢は、むしろ抑止力の強化を必要とする方向へ動いているように見える。石垣市の尖閣諸島周辺では、不当な領有権主張を続ける中国が領海侵入を常態化させた。沖縄は太平洋への勢力拡大を目指す中国に対する最前線である。現時点では、中国の脅威に対する備えとして、米軍や自衛隊の駐留は不可欠だ。
 石垣市では、奄美大島、宮古島、与那国島と連動して陸上自衛隊配備計画が進む。対中最前線となる島々で、自衛隊が存在感を増していることは評価すべきだ。日本自身の防衛努力を強化し、米軍頼みの体質から脱却することが、沖縄への米軍集中という日米安保のひずみを正すことにつながるからだ。
 日米は繰り返し、尖閣諸島が日米安保の範囲内にあり、在日米軍の防衛圏内に含まれることを確認してきた。中国を牽制する効果はあるだろうが、米軍に頼っていれば未来永劫、日本が安全であるという保障はない。過度な対米依存は将来へのリスクを増すだけだ。

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