【金波銀波】明智光秀を主人公にした…

 明智光秀を主人公にしたNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の視聴率が好調のようだ。大河史上の最低視聴率だった前作「いだてん」は五輪がテーマの近代劇だったが、今作は著名な戦国大名たちが活躍する「王道」の時代劇。ホームドラマやコメディ路線が目立った近年の大河とは異なり、過酷な戦乱を描写したシリアスな場面も多い。「いったん視聴をやめてしまった昔からの大河ファンが戻ってきたのではないか」とも言われる◆それにしても、最近はテレビで時代劇を見る機会がめっきり減った。若者が時代劇を見ないせいだろうか。特に民放は視聴率至上主義のためか、時代劇はほぼ消滅状態。主だったドラマは、似たようなラブストーリーばかり◆わずかに残った時代劇である大河ドラマも、最近は「難しい」と批判されることを恐れたのか、武士が現代人のように話したり、行動したりする。分かりやすい反面、何か大事な要素が失われている気もする◆昔は時代劇を通じて古い時代の言葉遣いや礼儀作法を知り、日本の歴史や伝統を学ぶことができた。活字文化と並び、日本人を啓蒙(けいもう)する大事な文化だった。時代劇の衰退は、文化断絶の危機でもある◆久しぶりの「王道」ドラマで時代劇は復活するのか。期待も込めて楽しみたい。

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