【視点】沖縄県民も注視する米大統領選

 4日に米議会で行われたトランプ氏の一般教書演説は、自らの実績を誇示する内容が大半だったが、演説後、上段の席にいた民主党のベロシ下院議長が、これ見よがしに演説原稿を破り捨てる前代未聞のシーンがあった。
 演説前には、ベロシ氏が差し出した握手をトランプ氏が無視するような場面も見られた。大統領のもとに一致団結するイメージが強い米国だが、与野党対立が想像以上に深刻化している現状をうかがわせた。
 民主党の候補者指名争いは既に始まっており、初戦の中西部Iオア州では前インディアナ州サイスベンド市長のブティジェッジ(38)とサンダース上院議員(78)が激しい首位争いを演じた。
 ブティジェッシ氏は同性愛を公表しており「夫」がいる異色の候補。サンダース氏は前回大統領選でもヒラリー・クリントン氏と指名を争い、急進左派として知られる。
 本命視されたバイデン前副大統領(77)は予想外の惨敗を喫し、第2戦の東部ニューハンプシャー州で上位に食い込めなければ失速の恐れがある。安定感のあるバイデン氏が脱落すれば、トランプ氏の再選が有力になるのではと言われている。
 民主党候補たちの対外政策や安全保障政策はなかなか伝わってこないが、政権交代があれば自国第一主義は大きく変更されるのか。「米国は世界の警察官ではない」という言葉は既にオバマ前大統領が発しており、トランプ氏でなくても、米国の内向き志向は長期的には変わらないのではないか。
 次期大統領が誰であっても、日本は現状の「米国依存」をいつまでも続けるわけにはいかないだろう。

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