【視点】陸自配備問題は大詰めに

 反対派は配備が周辺の水質悪化を招く可能性や、カンムリワシの生態に及ぼす影響を訴えてきた。だが、いずれも確たる根拠があるとは言えない。沖縄防衛局は、駐屯地の排水設備を整備する方針を示し、カンムリワシの保護にも配慮して工事を進めている。
 しかし、周辺住民の懸念が払拭されたと言える状況ではないのも事実だ。4公民館からは17日、工事による騒音被害を訴える要請書が市に提出された。駐屯地といえども開設後は地域との共生が求められる。工事の段階から、周辺に迷惑を掛けないよう最大限に配慮するのは当然だ。
 駐屯地の開設時期や工事の進捗状況なども市民にはオープンになっていない。10日に行われた市議会建設土木委員会の現地視察で、野党議員からは「不信感が残る」という指摘が出た。防衛に関わる施設である以上、情報公開には限度があるにしても、防衛省には市民の理解を得る努力が求められる。
 奄美から与那国島に至る陸自配備計画の中で、駐屯地開設に至っていないのは石垣島だけになった。
 尖閣諸島周辺海域など、八重山を取り巻く国際情勢の緊迫を考えると、石垣島だけ「防衛の空白地帯」となっている現状は早急に解消されなくてはならない。防衛省には市民に対し、陸自配備の必要性に関する丁寧な説明も継続してもらう必要がある。

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