【視点】医療崩壊防ぐのが最優先

 とどまるところを知らない新型コロナウイルスの感染拡大で、県は20日、独自の緊急事態宣言を発した。感染は沖縄本島から離島の八重山へ波及し、感染者は飲食店やスーパー、コンビニの従業員から医療従事者まで、あらゆるレベルに及んでいる。県民が強い危機意識を共有し、一丸となって感染拡大防止に取り組まないと、沖縄も東京や大阪など、ウイルスが蔓延(まんえん)している大都市圏と同じ状況に陥ってしまう。
 感染者は120人を超え、最大の焦点は医療崩壊をどう防ぐかに移った。感染者の中には那覇市立病院の看護師などが含まれる。医療従事者の感染は、ただでさえ少ない医療スタッフの負担増に拍車を掛け、医療崩壊の危機を早める恐れがある。深刻に受け止めなくてはならない。

 玉城デニー知事は20日の記者会見で、医療従事者への感謝と敬意を伝えた。医療従事者は第一線で感染の恐怖と戦いながら、一人ひとりの命を守り続けており、まさに英雄である。
 知事は医療資器材の確保や、離島の医療提供体制の整備、逼迫(ひっぱく)した医療現場をつぶさないための対策に取り組む方針を示した。
 医療従事者を守るために、知事も言明したN95マスクなどの優先的確保を早急に進め、医療スタッフもでき得る限り拡充しなくてはならない。新型コロナウイルスの専門病院のようなものを設置することも検討の余地がある。
 県民も医療従事者を背後で支える意識を持つべきだ。医療従事者の子ども受け入れを拒否した保育施設があることが明らかになったが、このような偏見は言語道断だ。

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