【視点】緊急宣言下、弱者に救いの手を

 札幌市児童相談所では、3月に寄せられた虐待通告件数が約150件に上り、前年同月比1.5倍だった。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う長期休校のほか、在宅勤務などで保護者のストレスが増したことも背景にある可能性があるという。
 国連はDVの「パンデミック(世界的大流行)」が起きていると警鐘を鳴らす。
 外出制限によって、女性や子どもが夫と長時間にわたって家庭内で接し続けることになり、ストレスが暴力を誘発している可能性がある。
 安倍晋三首相は24日、外出自粛の長期化を踏まえ、家庭内での児童虐待や、DVの防止に向け「政府を挙げて取り組みを強化する」と述べた。
 内閣府は20日、通話無料の緊急相談窓口「DV相談+(プラス)」を開設し、29日からは24時間体制で電話相談を受け付ける。会員制交流サイト(SNS)やメールでの相談などもできるようにした。
 民間と連携して宿泊場所を確保するほか、5月1日から8カ国語対応のSNS相談も実施する。きめ細かい支援体制の構築が急務だ。
 政府が国民に一律で給付する10万円に関しても、受け取れないDV被害者が出てくる可能性がある。
 申請書は27日現在で住民基本台帳に登録されている住所の世帯主に、世帯全員分が送付される。申請に応じ、給付金は口座にまとめて振り込まれるが、夫から避難しているDV被害者への対応が問題になる。
 総務省は住民票を異動せずに避難するDV被害者に対し、婦人相談所などが発行する相談証明書や、裁判所による保護命令決定書といった被害を証明する書類を添付し、避難先の市区町村に申立書を提出すれば同伴の子どもらの分も含めて直接給付するとした。提出期間は原則今月末までだが、その後も受け付ける。
 石垣市の場合、24日から30日までを事前申請期間に設定し、避難者に対し、市役所市民課に相談するよう呼び掛けている。救済措置の周知徹底が求められる。

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