犬の殺処分 3年連続ゼロ ネット情報で返還や譲渡進む 八重山保健所

 八重山保健所(森近省吾所長)が収容した犬の殺処分数が2017年度から3年連続して実質ゼロ頭になっていることが同保健所のまとめで分かった。インターネットを利用した飼い主への返還や希望者への譲渡などの取り組みが功を奏したと見られる。殺処分ゼロは動物の命を守るボランティアの懸命な取り組みにも支えられており、同保健所は「飼い主は、最後まで責任を持って面倒を見る意識を持ってほしい」と呼び掛けている。

 同保健所のまとめによると、犬の殺処分数は13年度には54頭だったが、その後減少傾向を続け、16~19年度はそれぞれ2頭。17年度以降の2頭は統計上は殺処分だが、いずれも収容時に負傷していた犬が死亡したケースだという。
 県は近年、犬、猫の殺処分を抑制する方針を打ち出しており、県動物愛護管理センターのまとめによると、県全体の犬の殺処分数も14年度の1200頭から18年度は141頭と、減少傾向にある。
 八重山保健所では、犬の収容数も13年度は139頭だったが、19年度は62頭に減少した。飼い主からの引き取り要請には安易に応じず、なるべく自己責任で飼養するよう求めている。
 飼い主のやむを得ない事情で引き取ったり、所有者不明で収容された犬については、ホームページや新聞を通じた広報で返還や譲渡を推進している。
 民間のボランティア団体も殺処分ゼロに貢献。「石垣島しっぽの会」(犬戸あい代表)は毎月第1日曜日、市役所駐車場で犬・猫の譲渡会を開き、新たな飼い主を探す活動を続ける。フェイスブックを通じて保健所の収容犬などの情報も拡散している。
 犬戸代表は保健所の収容犬について「ネットを通じた情報拡散で、飼い主へ返還される数がだいぶ増えたことが殺処分ゼロの要因だと思う。飼い主は首輪に連絡先などを記入するよう心掛けてほしい」と呼び掛けた。
 一方、猫の殺処分は17年度9件、18年度2件、19年度6件でゼロではなく、今後の課題になっている。 

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