【視点】感染急拡大「第2波」の懸念強まる

 専門家が「必ず到来する」と予言していた「第2波」が、予想より早く迫っているのかも知れない。東京都の新型コロナウイルス感染者が23日、初めて300人を超えるなど、国内の感染者数は急拡大している。
 沖縄でも連日のように感染者が確認され、23日で累計160人を突破した。県内の感染者数にはカウントされないものの、在沖米軍の感染者も日々増加している。
 県内では4月末以来、約2カ月感染者が確認されず、落ち着いた状況が続いていたが、大都市圏の状況と合わせて、明らかにフェーズ(段階)が変わってきた。
 県は「第1波」の経験を生かし、感染爆発や医療崩壊が起きないよう、全力で感染拡大防止に取り組む必要がある。
 こうした中、タイミングが問題になっているのが政府の観光支援事業「Go To トラベル」キャンペーンだ。この事業では、22日以降の国内宿泊やパック旅行、日帰りツアーの代金から35%を割り引く。
 宿泊や、宿泊を伴うパック旅行の場合、1人1泊当たり1万4千円が上限。予約済み分も後日、割引相当分が還付される。
 新型コロナで苦境にあえぐ観光の起爆剤になると期待されたが、感染者が急増した東京が急きょ除外された。直前の方針転換が混乱を招いているとして政府への批判の声も多い。
 ただ、観光を基幹産業とする沖縄にとって「Go To」のような事業はぜひとも必要だ。感染への懸念を理由に、いつまでも観光が凍結状態のままでは、県経済の死活問題になる。大事なのはキャンペーンを止めることではない。「第1波」の経験を生かし、感染拡大を阻止できる安全安心な観光の在り方を追求することだ。
 「Go To」に加え、夏の観光シーズンに入り、23日からは4連休が始まった。県は那覇空港で、発熱が検知された到着客に抗原検査を実施する水際対策を打ち出した。新石垣空港でも旅行者専用相談センター(TACO)の分室の運用が始まり、同様に発熱者を全員検査する体制が整った。
 まずはこうした取り組みを徹底しながら、冷え込んだ観光産業を再始動させてほしい。
 新型コロナの感染拡大傾向はいつまで続くのか。米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、感染者数は22日、世界全体で1500万人を超えた。死者は61万人を上回っている。
 とても終息と言える状況ではなく、残念ながら、多少我慢すればコロナ禍を乗り越えられるという甘い見通しは捨てざるを得ない。
 国別の感染者数は米国が400万人に迫る勢いで、ブラジルが約220万人、インドが約120万人と続く。
 一方、発生国の中国は落ち着いた状況だ。中国国家統計局が16日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除く実質で前年同期比3・2%増だった。
 経済の復興が急ピッチで進んでおり、新型コロナをいち早く克服したモデルケースだと強調して今後、世界的な影響力を強める可能性もある。
 日本の感染者数は2万人を超えたが、感染拡大が深刻な各国に比べると、持ちこたえているほうだ。ただ世界の状況を勘案すると、来年夏に延期された東京五輪の最終的な開催可否は、早い段階から検討を進める必要がありそうだ。

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