【視点】就任2年 難局続く玉城県政

 玉城デニー知事は4日、就任から2年となり、任期の折り返しを迎えた。最大の公約に掲げる米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止は展望を見い出せないままだ。新型コロナウイルスの感染状況は人口比で全国最悪の状況が続き、経済の柱である観光産業は大打撃を受けた。知事が政治的リーダーシップ発揮し、困難な局面をどこまで打開できるか問われる。
 辺野古移設を巡っては、予定地の軟弱地盤を改良するため、国が設計変更を県に申請している。玉城知事は認めない構えで、新たな法廷闘争が勃発する可能性がある。県はこれまで辺野古移設を巡る訴訟では全敗しており、今後も勝算があるのか疑問だ。
 玉城知事は2日の記者会見で、政府に対し「県との真摯な対話に応じるよう、これからも求めていきたい」と強調した。
 沖縄を取り巻く厳しい安全保障環境を踏まえれば、県のかたくなな反対姿勢が全国的な理解を得る可能性は低い。米軍基地被害を広く訴えるのは沖縄のリーダーとして当然だが、尖閣諸島を行政区域に抱えながら、中国の脅威にほとんど言及しないバランスの悪さが国民の不信感を招いている。
 自民党からは移設後の滑走路を軍民共用とすることなどの妥協案も出始めているが、県は一顧だにしていない。これでは対話は進むはずもなく、対話の前提条件を崩しているのが原理主義的な県の態度であることは明らかだ。
 玉城知事は7日、首相官邸で菅義偉官房長官と面会する予定だが、実質的な進展があるとは考えにくい。政府との対立は沖縄振興にも悪影響を及ぼす。「県益」を踏まえた方針転換を求められているのは、県のほうであると考えざるを得ない。
 辺野古移設が進まなければ普天間飛行場の閉鎖も見えてこない。任期の残り2年が政府との泥試合のままで終わるようなことがあれば、県民が最大の被害者になってしまう。
 観光産業を基軸に順調な成長を続けてきた沖縄観光は、新型コロナウイルスの感染拡大で大きな挫折を経験した。翁長雄志前知事は「アジアのダイナミズムを取り込む」をスローガンに、特に中国人観光客の誘致に大きな熱意を示し、玉城知事もその方針を継承している。
 だが新型コロナウイルスの影響でクルーズ船の寄港は中断しており、当面、海外からの観光客誘致は停滞が続く。県としての観光戦略練り直しが必要だ。知事が先頭に立つ必要がある。
 新型コロナウイルスの感染拡大も単に天災と受け止めるのではなく、なぜ全国最悪の状況が続いているのか、どうすればこの状況から脱することができるのか、早期の検証が求められる。
 沖縄振興計画は来年度末で期限切れを迎えるため、新たな振興計画の制定に向けた動きも加速させる必要がある。
 離島住民は、新たな沖縄振興計画の柱に離島振興を盛り込むよう求めている。だが現時点で具体的な県の取り組みは見えない。知事は記者会見で「離島振興は県政の一丁目一番地」と述べた。有言実行の姿勢を示してもらいたい。

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