高卒求人持ち直し 地元高は楽観視せず 八重山職安管内

生徒の進路相談に乗る職員=6日、八重山商工高

 八重山公共職業安定所管内(石垣市、竹富町、与那国町)の本年度の高校新卒者の求人が復調傾向を見せている。9月時点で77人で、新型コロナウイルス感染拡大で19人に低迷した7月の4倍に増えた。地元高校は「全県、全国的には依然厳しい」と楽観視していない。

 安定所によると、9月時点の求人は89人だった前年同期の9割近くまで回復した。前年(84人)の8割減に落ち込んだ7月からの2カ月間で58人増えた。
 理由として①求人の深刻な現状を知り、採用に名乗りを上げる事業所が相次いだ②安定所が各事業所に積極採用を呼び掛けた―ことが挙げられている。
 運輸業の1社は「コロナで経営は悪化しているが、高校生が困っているなら協力しよう」と新卒者の求人に初めて踏み切った。
 八重山地方は復調傾向でも全県、全国的には厳しい状況が続く。沖縄労働局が9月に発表した県内の高卒求人は前年の4割減に低迷している。
 高校生対象の企業の採用試験は今月16日に解禁され、就職活動が本格化する。
 八重山商工高は約50人の就職希望者が在籍している。「昨年は第1志望の会社に入れる生徒が8~9割に上ったが、今年は全体的には求人が少なく、志望に落とさざるを得ないケースも出そうだ」(進路指導部)と慎重な見方を示す。
 就職先は例年なら県外志向が強いが、今年はコロナで県外を勧めない保護者が多く、半数弱の生徒が県内企業を望んでいるという。
 安定所の真壁朝文所長は「求人持ち直しは歓迎すべき傾向だが、まだ前年に届かない上、コロナに左右されて先行き不透明で予断は許さない」と話している。

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