「尖閣諸島に標柱設置を」 字名変更受け市議会で動議

尖閣諸島・魚釣島に1969年、石垣市が設置した行政区域を示す標柱(2012年、仲間均氏撮影)

 尖閣諸島(石垣市)の字名が「登野城尖閣」に変更されたことを受け、新たな字名を明示した標柱を現地に設置するよう求める決議案が8日、石垣市議会(平良秀之議長)に動議で提出された。14日の最終本会議で採決される見通し。中山義隆市長は標柱設置について「上陸が可能か、法的な根拠を精査し、実施可能であれば行政手続きとして実施したい」と述べた。

 新たな標柱設置を求める決議案は仲間均氏が一般質問で提案し、他の与党議員の賛同を得て動議が成立した。
 尖閣諸島の魚釣島、久場島、大正島、南小島、北小島には1969年(昭和44年)、当時の石垣喜興市長が自ら上陸。市の行政区域であることを示す標柱を設置した。だが2012年、魚釣島に上陸した仲間氏によると、歳月の経過で、標柱の文字は読めないほどに風化しているという。
 仲間氏は、今年が標柱設置から50周年の節目に当たることを指摘。「字名も変更した。市の行政区域であることを国内外に広く知らしめるためにも、新たな標識は重要だ」と訴えた。69年の標柱設置は市の行政事務として実施しており、市の判断で設置は可能だと述べた。決議案の宛て先は石垣市長。
 小切間元樹企画部長は、標柱設置に向けて上陸許可などを国に要請していく考えを示した。
 来日した中国の王毅外相が記者会見で尖閣諸島の中国領有権を主張したことに対し、中山市長は「断じて許される発言ではない」と反発。王氏の意図について「日本側の漁船を引かせろという意味だと感じている。交渉のテーブルに乗せられる形になるので、断じて行うべきではない」と強調した。
 地元の漁業者が尖閣周辺で自由に漁を行うべきとの考えを示し「中国公船が追尾や接舷をした場合は、国として中国に対し抗議し、阻止してほしい。尖閣諸島がわが国の領土であることを明確に伝えることが必要で、ここは引くことができない」と語気を強めた。
 仲間氏は、王氏の発言時、茂木敏充外相がその場で抗議しなかったことについて「わが国の国益にならない大臣は即刻辞めてほしい」と批判した。

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