「このままだと医療崩壊」 コロナの市中感染拡大 年末年始の宴会自粛要請 八重山病院

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療崩壊の危機を訴えている県立八重山病院(資料写真)

 県立八重山病院の松茂良力副院長は29日、石垣市で新型コロナウイルスの市中感染が拡大しているとの認識を示し「このままだと医療崩壊が起きる。年末年始は静かで慎重な行動をお願いしたい」と述べ、市民に飲み会の自粛を強く要請した。八重山合同庁舎で開かれた八重山地域新型コロナ対策本部会議後、報道陣の取材に答えた。

 県はこの日、新たに40代の男女6人が新型コロナウイルスに感染した、と発表した。28日に竹富町が感染を発表した町職員の男性1人も含まれている。
 同病院は6人の新規感染について「人口10万人当たりで言うと、東京都の600~700人に相当する」としている。6人のほとんどが感染経路不明。
 八重山の感染者は計172人になった。県によると、感染者は30日以降もさらに増える見通し。
 同病院の感染症対応病床13床のうち、29日までに8床が埋まった。松茂良副院長は、現状のペースで感染者が増えた場合、一両日中にも満床になる可能性があるとの見方を示した。
 10月以降、かりゆし病院で大規模のクラスター(感染者集団)が発生した際には、同病院では一般病棟も含め、13床を超えてコロナ患者を受け入れたが、他の病棟などから看護師を再配置して何とか対応した。
 現在のペースで入院患者の増加が続けば、一般病棟でコロナ患者を受け入れても、医師や看護師が人手不足に陥る。最悪の場合、一般病棟を閉鎖し、年末年始に予定しているがんなど10数件の手術を延期・中止せざるを得なくなるという。
 上原真人医師は「手術を延期・中止すると、コロナ以外で犠牲になる人が出てくる」と指摘。松茂良副院長は、市民に飲み会の自粛など「3密」を避ける行動を強く呼び掛け「他人事ではなく、自分事として協力してほしい」と警鐘を鳴らした。
 県がこの日発表した新規感染者のうち3人が同病院に入院、2人が宿泊療養施設に入所した。宿泊療養施設の入所者は5人に増えた。残る1人は同病院を受診予定。

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