【視点】辺野古移設、空論に近い県主張

 玉城デニー知事は就任後初となる県議会に臨んでおり、19日は代表質問、22日は一般質問で答弁に立った。焦点の一つとなっている米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をめぐっては、県政と野党・自民党の溝が改めて浮き彫りになった。辺野古移設が普天間飛行場返還の実現に向けた「最短ルート」である現状を踏まえると、移設を遅延させた翁長雄志前県政の「徒労の4年間」が、玉城県政でも繰り返されるのではという懸念は拭えない。
 一般質問で宜野湾市区選出の又吉清義氏は、玉城知事が辺野古移設を阻止する方針を示していることに対し「宜野湾9万5千市民はどうでもいいという差別ではないか」と追及。謝花喜一郎副知事は「玉城知事は翁長前知事の遺志を継ぎ、辺野古に新基地を造らせないことを公約に掲げている。普天間の返還を絶対に阻止するとは一度も言っていない」と答弁した。
 これに又吉氏は「基地の整理縮小に緊急に取り組まなければならないという姿勢が事実なら、跡地利用の経済効果も検討した場合、一日も早い解決が県民の大きなプラスになる。積極的に国に協力することが筋だ」と県の姿勢を疑問視した。
 県が辺野古移設を阻止したあと、普天間返還をどう実現するかという展望はまるで見えていない。国に責任を丸投げするばかりだ。又吉氏の指摘が「現実主義」に即しているなら「県内移設は負担軽減にならない」と繰り返すだけの県の姿勢は、現実の裏付けを伴わない「空論」に近いのではないか。「基地のない沖縄」を一気に実現することは誰が見ても不可能である以上、基地負担軽減は一歩ずつ段階的に進めるほかないからだ。

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