【視点】明治改元150年 沖縄の歩み

 大河ドラマ「西郷どん」で明治維新が再び脚光を浴びている。今年は1868年の明治改元から150年の節目に当たり、23日には東京で政府の記念式典が開かれた。明治維新は自由で繁栄する日本、ひいては沖縄を形作る原点となった。沖縄にとっても意義深く、改めて明治期の先人の偉業を胸に刻みたい。
 式典では安倍晋三首相が式辞を述べ、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「わが国が直面する少子高齢化や激動する国際情勢に立ち向かうために、明治の人々の志や努力に学び、将来に伝えていくことは極めて重要だ」と述べた。
 歴史観は人によってさまざまだが、沖縄からは明治維新が琉球処分のほか植民地支配、沖縄戦といった悲劇の第一歩になったとして、ネガティブに捉える意見も発信されている。明治維新の立役者となった薩摩藩が、江戸時代初期に琉球王国へ侵入し、長く支配者として君臨した歴史があることも一因だろう。
 県民の中には、今なお鹿児島県に対して複雑な感情を持つ人もいて、鹿児島の人たちに驚かれることがある。現在の鹿児島県民の大多数は、過去の沖縄との歴史など全く意識していない。このように同じ日本の中にあっても、歴史観は地域によって異なる。
 近隣には、日本に批判的な歴史観を展開する諸国もある。それは他国の意見として聞くべきであって、あえて自らが他国の歴史観に寄り添う必要性はない。
 それにしても、明治維新が沖縄の運命を暗転させたという主張には、大多数の沖縄県民は同意しないだろう。当時の琉球王国が日本の一部にならなかったら、どのような運命をたどったのか、容易に想像できるからだ。
 歴史にイフ(もしも)はないと言われるが、江戸時代末期、琉球王国には独立国として存続できる国力はなかった。日本に属しなければ地理的に見て中国の一地域となっていたはずであり、そうなれば現在の私たちが享受する民主主義も自由もなかった。自主独立の日本を作り上げた明治維新に、結局は沖縄も救われたと言うべきだろう。

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