【視点】一筋縄ではいかない中国との付き合い

 石垣島を平和発信の島にしようと、石垣市は12月、世界平和の鐘設置40周年のイベント「ピースアイランド・イシガキ2018」を開催する。尖閣諸島問題で対立する中国から駐日大使を招き、基調講演などを計画しているというが、現時点で中国側に応じる気配がないという。中国という国との付き合いは難しい。相手が一筋縄ではいかないからだ。
 今年は日中平和友好条約締結40年の節目に当たり、10月には安倍晋三首相が日本の首相として約7年ぶりに訪中。習近平国家主席や李克強首相と会談するなど、日中関係は改善基調にある。安倍外交の成果の一つと言えるだろう。
 日中関係はこの30年ほどで劇的に変わった。かつてアジアの代表国と言えば日本だったが、現在では中国がその地位にある。世界を席巻するハリウッド映画一つとっても、中国資本が導入された影響で、中国や中国人の活躍を描くストーリーが激増しており、日本の存在感はほぼ消えた。特に40代以上の世代には、日中逆転は肌感覚で感じられる現実だろう。
 しかしそれでも、日本が中国に次ぐ世界第3位の経済大国である事実に変わりはなく、両国関係の安定は東アジアの平和の要でもある。しかし日本が自由主義と民主主義の社会であるのに対し、中国は社会主義と共産党の一党独裁体制の国家であり、価値観の相違を棚上げしないと協力関係を築きにくい。
 本来は相互に歩み寄りが必要なのだが、中国は2010年、GDPで日本を逆転して以来、日本に対し大国意識丸出しの傲慢とも言える態度で接してきた。その典型的な例が尖閣諸島問題だ。日本政府による12年の尖閣諸島国有化を口実にして、公船の領海侵入を現在まで常態化させているのだ。
 領土をめぐる認識の違いは、どこの国でもありがちな話だが、相手が実効支配している領域に問答無用で侵入を繰り返し、自らが主張する領有権を既成事実化しようとする神経は尋常ではない。ましてや尖閣諸島は沖縄県石垣市の行政区域であり、石垣市民は、その脅威の矢面に立たされている。日本は対中国を意識し、尖閣に日米安保条約が適用されることを繰り返し米国に確認することを余儀なくされている。

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