【視点】辺野古、恣意的な行政は問題

 港の利用業者は9日、管理者の県に仮復旧工事の着手を求める要請書を提出。県内離島向け建設資材の出荷も多く見込まれることから、港の利用が再開されなければ「県内全体の建設事業へ多大な支障を及ぼす」と指摘したが、県は安全面に懸念があることを理由に、仮復旧しない方針を示した。
 玉城知事は会見で「(辺野古沿岸に)土砂は一粒も投入されていない」と強気の姿勢をアピールしている。町や県に移設工事を遅らせる底意があるなら、不適切な対応だ。
 会見で香港の記者からは「沖縄にとって中国は脅威か」との質問があった。玉城知事は琉球王国時代以来の沖縄と中国の友好を強調した上で「国防や外交は国の専権事項だから、沖縄が方向性を変えることはできないかも知れない」と答えた。
 質問をはぐらかしているが、中国が脅威であることを否定しているように聞こえる。しかし沖縄県の行政区域である石垣市の尖閣諸島周辺では、中国公船による領海侵入が常態化している。知事として抗議の一言があっても良かったのではないか。毅然とした態度が感じられないのは残念だ。
 会見の冒頭、玉城知事は集まった記者に対し「デニースマイル」を振りまき、親しみやすさをアピールした。沖縄の歴代知事にはなかった、大衆を魅了するタレント性を感じさせる。玉城氏が知事に選ばれた最大のポイントでもあるだろう。
 知事のそうした個性を、沖縄の財産としてぜひ活用してほしい。辺野古移設阻止にこだわり過ぎ、政府との対立を先鋭化させる役回りに終始してしまっては、あまりにもったいない。

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