【視点】振興予算 反目超え未来へ

 政府は21日、2019年度の沖縄振興予算案を今年度と同額の3010億円と決定した。国が市町村を直接支援する「沖縄振興特定事業推進費」を設けたことが特色の一つだ。市町村の細かなニーズを支援できる新制度として活用に期待したい。
 玉城デニー知事は米軍普天間飛行場の辺野古移設問題をめぐって政府と真正面から対立しているが、安倍晋三首相が13年、当時の仲井真弘多知事に21年度まで年3千億台を確保すると約束。翁長雄志知事前知事時代を含め、政府の方針は維持されている。
 ただ全体の予算額が頭打ちであることは、県と政府の対立が背景にあると見ていい。辺野古移設工事が着実に進む中で、無用の反目が沖縄振興に影を落としている。一括交付金が前年度比95億円も減額されたことはその表れで、住民生活を下支えする事業に何らかの悪影響が出ないか懸念される。翁長前県政以来、政府と県の足並みが乱れた状態が一向に改善されないのは残念なことである。
 ただ宮腰光寛沖縄担当相は記者会見で、那覇空港の第二滑走路整備が最終年度に入るため、前年度比で約100億円の減額になったことなどを挙げ「実質的に考えると125億円程度の増額ではないか。ほぼ必要な予算については確保できた」と説明した。
 沖縄振興特定事業推進費は、臨機応変な財源捻出が困難な市町村に対し、一括交付金での対応が困難な場合などに交付される。自民党の沖縄振興調査会などでの議論や地元要請を踏まえて創設されたという。

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