【視点】予断許さぬ台湾、尖閣情勢

 中国の習近平国家主席は2日、共産党独裁下で高度な自治を認める「一国二制度」による台湾との統一を呼び掛けた。台湾に平和的統一を呼び掛ける「台湾同胞に告げる書」発表から40周年を記念する北京での式典で演説した。統一に向け「武力放棄は約束しない」とも警告した。習氏の発言は民主主義体制の台湾に対する不当な圧力であり、看過できない。
 台湾の蔡英文総統は①中国に民主的な政治体制が欠如している②人権状況が劣悪③台湾への武力行使を放棄していない―ことを挙げ、習氏の提案を即座に拒否した。
 台湾と沖縄、特に八重山は距離が近く、交流も古い。文字通り「一衣帯水」の間柄だ。台湾情勢の緊迫化に、沖縄は無関係ではいられない。
 中国の働き掛けで台湾と断交する国が相次ぐなど、台湾に対する外堀は徐々に埋められつつある。蔡政権発足後、中国当局からの指示で、中国大陸から台湾への観光客は大幅に減少し、経済的にも影響が出始めていると言われる。蔡政権は地方選で大敗するなど求心力を失いつつあり、今後、台湾で再び親中政権が誕生する可能性も否定できない。
 日本では、台湾は親日的というイメージが一般的だが、政権交代があれば、その立ち位置は大きく変わる。
 中国メディアは、習氏の発言を都合良く喧伝している。国営テレビは「世界中の華僑から大きな反響がある」「台湾の同胞に対する最大の誠意と善意の表れだ」と報じた上で、台湾の親中的な政治家が「統一は歴史の必然だ。中華民族の偉大な復興に、台湾は欠かすことができない」などと語る様子を放送した。

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