「隔ての海を結びの海に」 海洋シンポ初開催 竹富町

各島同時中継で行われた「竹富町・ふるさと発見 小中学生クイズ選手権」に参加する児童生徒らの勇姿が画面に映し出された。左はあいさつする西大舛髙旬竹富町長=20日午後、竹富町役場

 竹富町制70周年記念事業「竹富町海洋シンポジウム 隔ての海を結びの海に~ゆんたく島つなぎ~」が20日、有人国境離島7島8会場を中継で結び、同時開催された。石垣島、竹富島、西表島、黒島、鳩間島、波照間島、小浜島の7島8会場がインターネット回線を利用して情報共有し、大画面を通じてのパネルディスカッションやクイズ大会が行われた。各会場の参加者は延べ約300人に上った。
 西大舛髙旬竹富町長は「2017年度から始まった光回線を使った超高速ブロードバンド環境整備に伴い、観光、教育、医療、福祉、防災など、あらゆる分野においてICT(情報通信)の利便性を共有できるようになった」と強調。「本シンポジウムによって、海を直接渡ることなく、参加できる場を作り上げ、隔ての海を結びの海にすることができるようになった。島に居ながらさまざまな教育、医療が受けられ、島の未来を考えることができる」とあいさつした。

 琉球大学の大城肇学長と沖縄美ら島財団の花城良廣理事長がビデオメッセージを寄せ、大城学長は「命ぬ世の、命ぬ宝。先人が守りつないできた島の文化を大切にして、次世代に何を残すか考えなければ」と強調。花城理事長は「島にこそ宝がある。島の位置、歴史、文化、そこに住む人、全てが〝資源〟。島の人が島の良さをどう見つけるか、資源にどう気づくかが大事」と訴えた。
 同シンポジウムでは▽海洋基本計画と竹富町の希少植物に関する基調講演▽健康増進プログラム「島々を結ぶいきいき百歳体操」▽竹富町・ふるさと発見 小中学生クイズ選手権▽パネルディスカッション▽ぶがり直し(打ち上げ宴会)―が行われた。
 「海をテーマに海を越えて島の未来を語ろう!」をテーマとしたパネルディスカッションでは、「竹富町海洋行動宣言2019(案)」が提示され、竹富町全体の課題を共有しつつ、議論の中で案の文章を改訂。各会場に集まった参加者らが「私は、美ら海とともに生き、自分の出したごみを確実に持ち帰ることを宣言します」「私は、美ら海とともに生き、海岸清掃に積極的に参加することを宣言します」など、自分にできる行動を全会場に向けて宣言した。宣言された言葉は同案に書き加えられた。
 同シンポジウムは午後1時から8時半まで行われた。動画共有サービス「ニコニコ動画」での中継も行われ、午後8時半時点で累計視聴者数は1万9000を超えた。

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