【視点】住民投票、求められる慎重さ

 石垣市議会は1日、石垣島平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例案を採決し、賛否同数となったため、平良秀之議長が否決を決定した。今回の住民投票は実施されないことになり、陸自配備計画をめぐる当面の混乱は回避された。妥当な判断である。沖縄防衛局は今月中にも駐屯地建設予定地の用地造成に着手する方針だ。
 八重山では、過去に3度の住民投票が実施されている。石垣市の新庁舎建設位置を問う住民投票、竹富町の役場移転を問う住民投票、そして与那国町への陸自配備を問う住民投票だ。いずれも議会で住民投票条例が議員提案され、可決されたことを受けて実施された。
 新庁舎の建設位置などに関しては、行政は住民投票の結果を政策に反映させている。こうした住民投票に問題はない。
 しかし陸自配備を問う住民投票をめぐっては、石垣市、与那国町で、そもそも住民投票を実施すべきか否かをめぐって激しく賛否が割れた。
 推進派は、日本全体の安全保障問題を一地域の住民投票で問うべきではないと主張。これに対し反対派は、住民投票を配備計画阻止の切り札と位置付けた。
 こうなると、住民投票の結果をうんぬんする前に、住民投票を行うか、行わないかという問題自体が高度な政治的判断になってしまっている。新庁舎の建設位置などとは問題の本質が違う。

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