ごみ収集車活用し街頭広報 石垣市、国内初のサービス チリツモ広報システム

チリツモ広報の出発式でテープカットを行う(右から)中山市長、宮里支店長、前盛代表理事、大西ハンズオンマネージャー(写真右)=8日午前、真栄里公園駐車場。「チリツモ広報システム」のイメージ図(左=合同会社MBC提供)

 家庭用ごみ収集車(パッカー車)のスピーカーを活用し、石垣市の行政情報や地域の公民館情報、民間企業のCMなどを知らせる「チリツモ広報システム」が8日から開始された。パッカー車とIT技術を組み合わせ、街頭広報として用いるというのは前例がなく、国内初となる。同システムを開発した合同会社MBC(前野尚史代表)は2014年11月26日に、「パッカー車を用いた街頭宣伝広報システム」として特許を出願。現在は特許庁の審査を受けている。

 システムの導入により、市の公用車による街頭広報のコスト削減に加え、スマートフォン内の音声アプリを使って事前に時間・期間・位置条件を設定し、GPS機能と連動させることで、各公民館や学校のイベント情報など、限定した地域で特定の音源の放送が可能となる。同アプリは㈱SHIMAN―CHU REPUBLIC(池淵功寛代表取締役社長)が制作した。
 これまで市は公用車を使い定期的な街頭広報業務を各課で実施してきたが、同システムでは担当課に関わらずに情報を一括で提供でき、運行費、維持費、人件費などのコスト削減が見込める。また、市清掃事業協同組合(前盛均代表理事)に加盟する5社はパッカー車を3台ずつ所有しており、全集落内を巡るなどのパッカー車の特徴から、効率的な周知が期待されている。
 「チリツモ広報」の出発式が8日午前、真栄里公園駐車場で行われ、MBC・チリツモ広報沖縄支店の宮里康一支店長が前野代表のあいさつを代読し、「市を皮切りに、コスト面や街宣音源の作成面で困っている全国の自治体や地域住民の情報発信ツールの一つとして、提供拡大していきたい」と強調した。中山義隆市長は祝辞を述べ、行政情報がより広範囲に行きわたり、市から全国へ広がることに期待し、前盛代表理事は「チリツモ広報を通して、さらなる市民へのサービスができる」と意気込んだ。
 県の委託を受け、「ベンチャー企業スタートアップ支援事業」としてMBCを採択・支援した(公財)県産業振興公社の大西克典ハンズオンマネージャーは「世界に挑む企業を支援している。石垣だけでなく、日本全国で通用するようなビジネスモデルになっていくと思う」と述べた。

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