【視点】陸自配備、国民守る責任着々と

 石垣島への陸上自衛隊配備計画は、早ければ今月中にも駐屯地建設工事が始まりそうだ。防衛省は13日、着工前最後の住民説明会を開いた。質問者の多くが反対派で、会場に怒号が響くなど異様な雰囲気になったが、石垣市の中山義隆市長は既に配備への協力方針を示している。
 中国の軍事的拡張など、沖縄を取り巻く国際環境が悪化される中、政府には国民の生命や財産を守る責任がある。着々と責任を果たし、駐屯地の早期整備を進めてほしい。
 説明会では、反対派から近隣諸国との紛争について「憲法は話し合いで解決することを求めている。駐屯地を造らないほうが安全だ」「中国は圧倒的な軍事力を持っている。自衛隊が抑止力にならない場合、住民はどこに逃げればいいのか」など詰問した。防衛省側は「自衛隊は、国民の生命財産に危害を及ぼす事態が起こらないようにするための機能を果たす」と理解を求めた。
 自衛隊が配備されるから安全になるのか、標的になるのか。「ニワトリが先か卵が先か」に似た議論で、双方が納得する結論を出すことは難しい。
 ただ中国の野心的な海洋進出が続く現状で、政府が最前線の島々を無防備のまま放置するのは、無責任のそしりを免れない。石垣島への自衛隊配備は、奄美大島、宮古島、与那国島も含めた広範囲な防衛計画の一翼を担うものだ。石垣島だけに防衛の空白地帯が生じると、有事の際、標的になりやすくなる恐れもある。配備を進める政府の判断は常識的に考えて妥当だ。
 しかし周辺住民からは、配備が水源地に影響を及ぼす可能性を懸念する声も出ている。水源地の近くに駐屯地が整備されることが、ただちに汚染につながるとは考えられない。だが政府や市は住民の声に真摯に向き合い、懸念を払拭するために最善の努力を尽くしてもらいたい。

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