【視点】県と国の対立、重い辺野古提訴

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設を巡り、県は埋め立て承認撤回の効力を停止した国土交通相の判断の取り消しを求め、国を提訴した。辺野古移設を巡る県と国の裁判は6件目で、玉城デニー県政では初めてとなる。泥沼のような訴訟合戦はいつまで続くのか。安倍政権は普天間飛行場の危険除去を訴えて辺野古移設作業を進めているが、現実を無視して県内移設反対に固執する県の姿勢には疑問を禁じ得ない。
 玉城知事は、安倍晋三首相との会談翌日、首相官邸から「25日に新たな区域への土砂投入を予定通り行う」との連絡があったことを提訴の理由に挙げた。「私は政府に対し、対話による解決の必要性と重要性を強く求めてきただけに、このような政府の対応は極めて遺憾だ」と批判した。
 菅義偉官房長官は22日の記者会見で、玉城知事が工事の中断と1カ月の協議を求めていることに対し、翁長雄志前知事とも工事を1カ月中断をして話し合いをしてきたこともあると指摘。「しかし、結果は同じだったということも事実だ」と述べた。
 玉城知事が求めている「対話」は、翁長前知事が主張してきたことの繰り返しに過ぎないと政府は受け止めている。玉城知事に、対立の解消に向けた新たな打開策があるわけでもないのは明らかだ。対話の要求はいわば時間稼ぎであり、普天間の危険除去を焦眉の急とする政府が乗るわけにいかないのは当然だろう。
 ただ、菅官房長官は県が求める対話について、普天間飛行場負担軽減推進会議や政府・沖縄県協議会などの協議の枠組みを活用する考えを示した。西普天間地区の米軍住宅や北部訓練場の4千㌶返還などの実績も踏まえ、米軍基地の負担軽減を一つひとつ進める姿勢だ。しかし、辺野古移設を巡る訴訟でいたずらに政府との対立が先鋭化すれば、そのほかの基地負担軽減策に影響が出る懸念はないのか。
 岩屋毅防衛相は、辺野古移設の代替案がない以上、辺野古移設を進めなければ、普天間飛行場が間違いなく固定化する」との見方を示した。
 国と県が法廷闘争に突入した意味は重い。国が敗訴した場合、政府は辺野古移設を断念することになるだろう。そうであれば県もまた、敗訴すれば辺野古移設への協力に転じる方針を明言すべきだ。
 最高裁まで争った埋め立て承認取り消し訴訟で敗訴が決まったあとも「知事権限を駆使して辺野古移設を阻止する」と主張し、県政の混乱を長引かせた前県政の轍(てつ)を踏むべきではない。ここまで来た以上、この裁判で決着させる覚悟が必要だ。

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