【視点】「万国津梁会議」に疑問

 玉城デニー知事が昨年9月の知事選で掲げた公約ではあるが、払拭できない幾つかの疑問点がある。有識者らを交えて県政の幅広い課題を議論する「万国津梁会議」の設置についてだ。
 知事は12日、就任後初の定例記者会見を開き、6月上旬に同会議の初会合を開催する方針を明らかにした。最初の定例記者会見のテーマに選んだことからも、自身の目玉政策として推進したい意気込みがうかがえる。
 万国津梁会議は①人権・平和②情報・ネットワーク・行政③経済・財政④人材育成・教育・福祉・女性⑤自然・文化・スポーツの5分野に分かれるが、基地問題、SDGs(持続可能な開発目標)、虐待防止の3点を先行して議論する考えだ。結論は玉城知事が政策推進の参考にするというから、知事の諮問機関のような役割だろうか。
 率直に首を傾げるのは、そもそもの万国津梁会議の必要性である。基地問題にせよ虐待防止にせよ、県庁には既に担当課があり、専門家を交えて対策を検討する会議も設置されている。今さら新たな会議を設置して、何を議論するのか。「屋上屋を架す」ことにならないか。
 特に基地問題に関しては、米軍普天間飛行場の返還に向け、辺野古移設によらない方策が検討される可能性がある。
 政府が「普天間飛行場の危険除去と抑止力維持のため」と主張する辺野古移設に対し、県は翁長雄志前県政時代から、裁判も含め「海兵隊は抑止力にならず、沖縄に駐留する合理的理由もない」などと反対してきた。最近は辺野古沿岸の軟弱地盤の存在も反対理由に加わった。反対理由は、いわば出尽くしている。

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