【視点】危うさ感じる知事訪中

 玉城デニー知事が日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)のメンバーとして訪中している。観光や貿易などで交流拡大を訴えるようだ。在任中、同様に訪中していた翁長雄志前知事の路線を忠実に引き継いだものだが、知事の外遊には税金が投入されており、費用対効果はしっかり検証されなくてはならない。その意味で、この時期の知事訪中には、違和感を抱かざるを得ない。
 沖縄は観光立県であり、知事が海外からの観光客誘致に奔走するのは当然だ。とはいえ中国からの観光客数は2018年には初の60万人に達し、海外としては台湾に次ぐ多さだ。既に開拓期は過ぎ、上り調子が続いている。現在、沖縄本島の主要な観光施設や交通機関は、どこも中国語であふれ返っている状態だ。
 懸念されるのは、中国は他国に圧力をかける手段として、観光客を自在にコントロールする傾向があることだ。台湾では独立志向が強い民進党政権が誕生したあと、中国からの観光客数が減少した。玉城知事は翁長前知事と同じく、経済成長に向け「アジアのダイナミズムを取り込む」と公言しているが、観光産業の中国依存は危うさを伴う。
 八重山も観光が好調だが、中国人観光客がそれほど多いわけではない。沖縄本島は台湾からの受け入れ強化や、新たに欧州なども視野に入れた誘客を進めるべき時期だ。

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