【国境を撮る③】中国共産党の命運握る 尖閣は重要な軍事拠点

 つまり「台湾統一」を前提に考えると、中国が尖閣諸島を奪うということは、対米戦略上、非常に重要な軍事拠点を得ることを意味する。
 ではなぜ中国は「台湾統一」に必死になっているのか。
 2021年は中国共産党創設100周年だけど、中国はそれまでに台湾を統合すると言っている。武力行使も辞さないと。それなのに、自ら喧伝した「統一」を果たせないばかりか、そのことが原因で「台湾独立」が実現されでもしたら、党の面目は丸つぶれ。その後は香港、マカオ、ウイグル、内モンゴル、チベットなどでも独立の機運が一気に高まり、党の軍隊である人民解放軍では抑えきれない内乱につながっていくだろう。
 そうなれば、中国共産党の現体制が吹っ飛んでしまう。そのことを中国共産党は一番恐れているんだ。
 「中国共産党の存亡」という観点からすれば、尖閣諸島がどれほど重要なのか、分かってもらえると思う。もはや「尖閣諸島」は、中国共産党の運命を握るキーワードとなっているんだ。
(敬称略、聞き手・里永雄一朗)

[プロフィール]
 山本皓一(やまもと・こういち) 1943年、香川県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。雑誌の写真記者を経て、フリーランスのフォト・ジャーナリストに転身。独裁国家の北朝鮮、崩壊直前のソ連、日本の国境の島々を踏破するなど、世界各国をルポルタージュしてきた。日本写真家協会とペンクラブの会員。

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