【視点】北朝鮮問題 遠い国の話か

 北朝鮮を巡る情勢がまた慌ただしくなった。北朝鮮は4日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長立ち会いの下、日本海上で火力打撃訓練を行ったと報じ、垂直に打ち上がるミサイルの写真を公開した。専門家の間では短距離弾道ミサイルであるとの見方が多く、その場合、発射を禁じた国連安全保障理事会の制裁決議に違反する。
 一方、金委員長が2月の米朝首脳会談で、トランプ米大統領に「日朝間の懸案として日本人拉致問題があるのは分かっている。いずれ安倍晋三首相とも会う」と語っていたことが明らかになった。呼応するように、安倍首相は条件をつけずに金委員長との会談を目指す方針を表明した。
 北朝鮮の挑発行為からは、米国との交渉の行き詰まりに対する金委員長の焦りがうかがえる。国際社会をだまし、のらりくらりと非核化を先延ばししながら、経済制裁の解除を目指す戦略が壁に行き当たったのだろう。
 北朝鮮情勢は、米軍基地を抱える沖縄にも他人事ではない。
 翁長雄志前知事は昨年6月23日の慰霊の日に開いた沖縄全戦没者追悼式で、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴え、同月の米朝首脳会談に触れた。「平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が唯一の解決策と言えるのか」「辺野古新基地建設はアジアの緊張緩和の流れにも逆行している」などと述べた。
 だが1年経とうとしている今、翁長氏が期待した朝鮮半島の平和へのうねりは起きていない。米朝首脳会談の実現を辺野古移設反対の理由に挙げた翁長氏の判断は、甘過ぎたということだろう。沖縄を取り巻く国際環境は、依然厳しい。

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