陸自配備工事を監視? 嵩田林道 反対派か、森林を無断伐採

(左)伐採された森林、(右)森林伐採後の嵩田林道から見える駐屯地建設予定地=18日午後、嵩田林道

 石垣市の嵩田林道で、県有地の森林が何者かによって無断伐採されていることが、18日までに分かった。伐採後の林道からは、陸上自衛隊の駐屯地建設予定地を見下ろすことができ、住民からは「反対派が監視目的で伐採したのではないか」と指摘する声が出ている。駐屯地建設予定地周辺では、監視用の工作物が設置されたり、不審なドローンの飛行が目撃されており、反対派の活動が活発化している可能性がある。
 伐採された県有林は、駐屯地建設予定地の旧ゴルフ場に隣接する嵩田山の林道沿い斜面。木を伐採したことで駐屯地建設の用地造成工事が進む旧ゴルフ場が見えるようになり、眼下に工事関係者が設置したブルーシートなどが確認できる。

 林道沿いには、うっそうと木が茂っており、何者かがガードレールを乗り越えて伐採作業をしたものとみられる。伐採後の木は持ち出されていた。
 県有林は八重山農林高校の演習林だが、同校が定期的に除草や枝打ちを行っている場所とは異なる。同校の山城聡校長は「勝手に伐採されており、困惑している」と話した。今後の対応は県教委と相談して決めるという。
 市農政経済課は「無断では伐採できない箇所で、届け出が必要だ。伐採は森林法に違反する可能性がある」との見方を示した。周辺で測量作業を行っている工事関係者にも確認したが、工事に伴う伐採とは思われないという。
 今月3日に伐採を発見した八重山自衛隊家族会の上地和浩会長は「駐屯地建設工事で自然環境を保全する必要性が叫ばれている中、伐採は環境破壊だ。仮に反対派の行為だとすれば、言っていることとやっていることが違う」と批判した。

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