【視点】沖縄と香港 全く環境が違う

 香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する住民運動は、日本でも連日大きく報道されている。香港での街頭デモには強く共感するが、沖縄の基地反対派が「条例改正を求める中国政府の強権的な姿勢は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を強行する日本政府と同じだ」と主張しており、違和感を禁じ得ない。沖縄の基地反対運動と香港の民主化運動は全く背景が異なるからだ。
 民主主義と独裁政治の国の最大の違いは、報道の自由の有無だ。独裁国家では、政府批判の報道は許されない。
 中国で放映されるNHKの海外放送が香港の民主化デモのニュースを流すと、にわかに画面が真っ黒になって放送が中断された。中国当局がニュースを検閲しているのである。今年は天安門事件から30年だが、その関連ニュースも、同様な措置のため中国では視聴できない。
 中国国営テレビのニュース番組が流す台湾の映像には、何度も不自然なモザイクがかかる。台湾の「国旗」が国民の目に触れないよう画像処理をしているからだ。そのような姑息(こそく)な手段を使ってまで、中国政府は国民に不都合な事実を隠ぺいし続けている。
 高度な情報化社会が実現した21世紀の現在、13億人の国民が、こうした時代錯誤な報道統制下に置かれているのである。

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