【視点】いたちごっこの待機児童問題

 保育を家庭が担えず、全面的に保育施設に依存する社会が到来しており、是非は別にして、現実から目を背けることはできない。
 市町村が陸続きの沖縄本島では保育士の争奪戦が始まっており、離島でも石垣市は保育士の優遇策を打ち出して、島外からの誘致を図っている。行政も保育士養成をバックアップする構えだ。
 需要があれば、そこにビジネスチャンスが生じる。一般の企業が保育施設を設立し、従業員だけでなく地域の子どもを受け入れる動きが離島の八重山でも進んでいる。こうした流れは歓迎したい。
 ただ、子どもの数は確実に減少に向かっており、いずれ沖縄でも保育需要は沈静化していくはずだ。そう遠くない時期に全市町村での待機児童ゼロは達成可能ではないか。むしろ10年、20年スパンで考えれば、保育施設がだぶつく可能性すら考えられる。
 そうした需給バランスの変化に柔軟対応できるのが民間事業者の強みであり、保育施設の運営は将来的にも民間が主体にならなくてはならない。
 現在残っている公立保育施設は、離島やへき地などの特殊事情がある地域を除き、全面的に民営へ移行することが望ましい。行政は保育の質の確保でチェック機能を果たせばよく、自ら保育を担う必要性は薄い。沖縄では公立幼稚園がまだ多く、民営化に向けた検討作業をスピードアップする余地があるだろう。
 同様に公立学校の存在意義も今後、問われてくるかも知れない。特に学力低迷が続く沖縄では、従来の横並び式の教育を見直す必要が高まると思われるからだ。
 保育だけでなく教育でも民間活力の導入を推進すべき時期が来ている。

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