【視点】食品ロス削減、変わる社会構造

 まだ食べられる食品が廃棄されてしまう「食品ロス」の削減を目指す「食品ロス削減推進法」が5月24日、国会で成立した。6月には石垣市で、不要な食品を困窮者などに回す「フードバンク」が民間の法人によって新たに設立され、食品ロス問題への取り組みは県内でもにわかに注目を集めている。
 公明党が2015年、プロジェクトチームを設置して同法の策定に向けた準備を開始。その提言をもとに法案が作成され、18年には超党派の議員連盟も発足した。
 同法の主なポイントは①「国民運動」として食品ロス削減を推進する②内閣府に食品ロス削減推進会議を設置し、基本方針を策定③基本方針を踏まえ、都道府県と市町村が推進計画を策定し、対策を実施する④フードバンクの活動支援―などの取り組みを盛り込んだことだ。10月は「食品ロス削減月間」になった。
 政府によると、2016年度の食品ロスは規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなどで約643万㌧あったと推計される。前年度より3万㌧減少したものの、膨大な量の無駄遣いであることに変わりはない。
 食品ロス問題では二つの取り組みが求められる。食品ロスを出さないことと、出してしまった不要な食品を廃棄せず、必要とする人たちに分配すること、である。これらは表裏一体だ。
 食品ロスの約半数は家庭から出ているとされ、政府は各家庭で、食材を買い過ぎないこと、使い切ることなどを求めている。これは国民一人ひとりのコスト意識にかかわる部分が大きく、一朝一夕には進められない。だが人口減少社会へ向かう中、高リスクな大量生産・大量消費の時代は終焉する可能性が高く、いずれにせよ飽食時代の生活スタイルは長続きできないだろう。

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