「寂しくなる」惜しむ声も 旧社屋、地域発展に貢献 沖銀支店

60年余りにわたって大川で営業してきた沖縄銀行八重山支店。近隣商店街とともに今日の商業地域の発展を築いた=5日午後

 まちなかの銀行として60年余にわたって石垣市大川で営業してきた沖縄銀行八重山支店が5日閉鎖された。周辺商店街や住民からは「寂しくなる」という声が聞かれる一方、銀行の移転による客足の減少を懸念する声も出ている。
 旧八重山支店は1957(昭和32) 年11月に県内10番目の支店として設立された。
 当時、大川は市内唯一の商業地域で、近隣には公設市場や衣料品店、書店など多種多様な店が軒を連ね、経済活動の中心地として発展してきた。
 商店街に立地する沖銀八重山支店は、まちなかの銀行として庶民に親しまれてきた。
 長年、同銀行を利用してきた周辺商店街の人々は一様に「人通りが減って寂しくなりそう」「これまで両替や入出金がすぐできたが、仕方ないさ」という声が聞かれた。
 石垣市中央商店街振興組合代表理事の仲本勉さんは「移転の最低条件として旧社屋の取り壊し後、店外ATMの敷地内設置や公設市場への設置を要請したが、銀行側は『現時点で考えていない』との回答だった」と話す。
 同商店街は近年、観光みやげ品店が立ち並び、若い世代による異業種の店がオープンするなど、多様な業種がひしめく商業地域に変貌している。
 店外ATMを求める声は今後出てきそうで、その際、銀行側は検討を迫られそうだ。
 旧社屋の閉鎖は美崎町の旧八重山警察署跡地に完成した新社屋への移転に伴うもので、5日午後3時で旧支店での営業を終了した。(文・写真 南風原英和)

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