【視点】「辺野古」で問われる民意と信念のギャップ

 21日投開票された参院選沖縄選挙区は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する高良鉄美氏が初当選したが、自民公認の安里繫信氏が辺野古移設の賛否を明言しなかったことが、選挙前から物議をかもした。安里氏は、2月の県民投票で辺野古移設に反対する県民の民意は明確になったとの認識を示し、政策発表の記者会見で「口が裂けても推進とは言わない」と発言したのだ。
 安里氏のスタンスは、宜野湾市民の危険性除去のため、辺野古移設を「唯一の選択肢」と位置付ける安倍晋三政権の方針とは異なる。自民党が安里氏の発言を黙認したため表面的には問題化しなかったが、水面下では支持者に賛否の嵐を巻き起こした。
 辺野古移設が実現すれば普天間飛行場が返還され、宜野湾市民の危険性除去に加え、大規模な跡地利用の期待も高まる。国益、県益を考えればベターの政策であることは明白だが、有権者の多数は反対している。このギャップにどう対処すべきか。
 沖縄では主要な国政、県政選挙でメディアによって常に辺野古が争点化され、保守系の候補者が踏み絵を迫られ続けてきた。昨年9月の知事選、今年4月の衆院3区補選と移設反対派が連勝しており、自民党からは「辺野古反対と言いさえすれば当選するのか」と嘆き節が漏れ聞こえる有様だ。
 2014年、翁長雄志県政が誕生し「オール沖縄」と呼ばれる勢力が成立してから、移設を容認する保守派の政治家は、常に自らの信念と民意の軋轢(あつれき)に苦しんできた。現在の日本で、沖縄ほど政治家のあり方が問われる地域はないのかも知れない。

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