【視点】激動期に入った世界と日本

 世界は第二次大戦以来の激動期に入ったのではないか。次から次へと、既存の国際秩序を揺るがすような動きが勃発している。その影響は回り回って各地に波及し、離島の離島である沖縄や八重山といえど、無関係でいるわけにはいかない。
 最大の動乱は米中貿易摩擦だ。「アメリカ・ファースト」(米国第一主義)を掲げるトランプ米大統領の登場が要因だとされるが、米国と並ぶ超大国への道をひた走る中国に対し、危機感を募らせた米国が遂に立ち上がったと見るほうがいい。
 かつて世界は自由主義陣営と共産主義陣営に二分され、米国とソ連がその盟主の地位にあった。今度は米中の覇権争いとして歴史が繰り返されそうな雰囲気だ。経済力で米国に差をつけられ自壊したソ連とは異なり、中国は世界第二位の経済大国であり、現在のまま成長を続ければ、米国を凌(しの)ぐポテンシャルを十分に持っている。
 そんな中国の足元をすくいかねないのが香港の民主化デモの動きだ。学生などの抗議の高まりを受け、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は4日、中国への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案の撤回を表明した。
 民主主義の勝利に向けた第一歩かも知れないが、中国や香港政府は学生たちが求める普通選挙の実現などは拒否。中国メディアは条例撤回後もデモ参加者を「暴徒」と呼んで激しく非難し続けている。
 米中の争いが今後、民主主義を巡る価値観の争いへと発展していくのであれば、香港は今後とも台風の目になる可能性がある。香港の情勢は今後、中国本土で民主化が進むのかを見極める試金石であり、中国が同じ「一国二制度」を掲げて統一をもくろむ台湾情勢にも関わってくる。そして台湾情勢は地理的に近い沖縄、八重山にも直結する。

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