【視点】「超高齢化」をチャンスに

 人手不足の昨今、役所や民間を問わず定年後の再雇用が一般的になっており、今後とも老人の「需要」は高まる一方のはずだ。
 平均寿命が延び、60代での死亡は今や早死にである。最近は政界も経済界も若返りの傾向があるが、高齢者が培ってきた知識、経験、そして信用は何物にも代え難い。
 世界の指導者を見ても、41歳の仏マクロン大統領より、73歳の米トランプ大統領が遥かにパワフルに見えるのは、お国柄だけではないだろう。すべてが流動的で不安定な時代、人生の荒波を乗り越えてきた人々の「老人力」が求められているのかも知れない。老人をうまく活用すれば、超高齢化を日本や沖縄が新たなステージに上昇するためのチャンスに転換できる。
 生き続ける限り、いずれは誰でも老人になることを考えれば「老人」という言葉のネガティブなイメージを、社会全体で払拭していく必要がある。
 体の動きが鈍くなり、物忘れが激しくなる「老化」を超えて、一人の人間として行動や思索の深みが増す「円熟」の境地が見えてくる。年老いても若者の憧れであり続けることは可能だ。それは高齢者自身の努力にもかかっている。
 認知症や介護の問題も深刻だが、本人や周囲に介護予防の意識を徹底させることが対策の第一歩である。
 15日の「老人の日」から21日までは「老人週間」。県は、すべての高齢者が安心して自立した生活ができる保険・福祉のまちづくりや、高齢者や介護者を支える取り組みの推進などのキャンペーンを展開中だ。

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