【視点】命守る仕事成し遂げた

 離島医療は都会に比べ、慢性的な医師不足や、貧弱な医療環境などの宿命を抱える。そんな現状を打破するために住民の声を結集してつくられた「八重山の医療を守る郡民の会」が、25日の総会を最後に活動を休止することになった。約8年間の活動で、県立八重山病院の新築をはじめ、住民の命を守る偉大な仕事を成し遂げた。惜しみない感謝の念を捧げたい。
 八重山ではたびたび脳外科医や産婦人科医といった専門医が不在になり、医療に対する住民の不安は大きかった。中核的な医療拠点である八重山病院の老朽化も目を覆うばかりだったが、新築を求める住民の声に対し、巨額の事業費がかかることを理由に、県はなかなか重い腰を上げなかった。
 住民の命や安全がないがしろにされかねない状況を受け、有志が立ち上がった。郡民の会は、ホテル業などを幅広く営む宮平康弘氏を会長、元県職員の大山剛氏を事務局長に、八重山の第一線で活動する各方面の人たちを網羅し、2011年3月3日に発足した。
 郡民の会の活動を記録した「命果報(ぬちがふ)を読むと、メンバーが八重山の医療を守るため、いかに奮闘してきたかが分かる。
 八重山病院の新築、ドクターヘリの導入などを求める県などへの活発な要請活動、医療フォーラムを通じた内外への啓発活動、あるべき医療体制の構築に向けた提言の発表など、役員は席の暖まる暇もないのではと思うほどだ。
 島外から八重山に赴任した医療従事者に感謝の念を伝え、島に定着してもらうために、歓迎の集いも定期的に開催した。当時の医療関係者が「地元からこんなに歓迎されたのは初めて」と驚いていたことが思い出される。地道な活動の一つひとつには、実ったものもそうでないものもあったが、すべてが最終的に島の医療を下支えした。

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