【金波銀波】つい数か月前なのに…

 つい数か月前なのに、もう遠い過去のように感じられる。米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票である◆玉城デニー知事は現在でも「県民投票の結果を政府に訴える」と息巻くが、結果に法的拘束力はなく、移設を着実に推進する安倍政権の姿勢は堅持されている。米国政府からも特段の反応はない。参院選でも野党は辺野古移設を全国的な争点の一つに掲げたが、与党が過半数を制した。県民投票の実質的な影響力は皆無と言っていい。多くの県民が今、5億5千万円もの税金を投じた県民投票の無意味さを改めて実感しているところではないか◆安全保障のように、一地域で完結できない問題をテーマにした住民投票は、保革のイデオロギーが絡むため、必ず地域を分断する。しかも結果が国政で尊重されるとは限らない。いたずらに地域を傷つけて終わるだけだ◆石垣島への陸上自衛隊配備計画に対しても、反対派を中心に住民投票を求める動きがあり、石垣市に対する訴訟にまで発展した◆仮に主張が通って住民投票が実施されても、沖縄を取り巻く他国の脅威には何の変化もなく、政府が配備計画を撤回することはあり得ないだろう。実施されて数カ月後には、もう遠い過去になる。そんな住民投票になる恐れは十分過ぎるほどだ。

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