【視点】首里城、単純な復元に終わらせるな

 安倍晋三首相は6日の関係閣僚会議で「一日も早く復元できるよう、政府として責任を持って全力で取り組む」と表明した。心強い発言だが、県としては必ずしも額面通りに迅速な復元を目指す必要はない。質の高さとスピードが両立するとは限らないからだ。
 グレードアップした再建を目指すのであれば、むしろ多少の時間を掛けるほうが望ましいかも知れない。玉城知事が目指す2022年の再建計画策定が必要だとしても、スケジュールありきの拙速な作業は望ましくない。
 全国的に見れば、今年相次いだ台風災害などで、復興予算を必要とする自治体は少なくない。沖縄も先に挙げた離島振興をはじめ、福祉や教育など数多くの課題を抱えている。その中で首里城再建だけが最優先課題であるとは思えない。
 今回の再建には、前回要した億円をさらに上回る事業費が予想されている。当然、青天井の予算が許されるわけではない。急ぎ過ぎれば事業費は膨らむ一方だろう。県自らがコストカットの意識を持ち、国民の幅広い理解を得ながら着実に再建を進める姿勢が求められる。
 与那国島には、琉球王国の過酷な人頭税取り立てに耐えかね、人減らしのために妊婦たちを飛ばせたという伝承がある「クブラバリ」という岩の裂け目がある。石垣島には、琉球王国に抵抗した英雄としてオヤケアカハチの銅像が建立されている。
 離島の宮古や八重山にとって、琉球王府とは一面、圧政の象徴でもあったことは忘れてはいけない。
 沖縄のシンボルである首里城の再建を願う気持ちは当然、離島住民も変わらない。しかしこの機会に、琉球王国の負の歴史にも目を向けておきたい。

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