【視点】経済好調でも深刻化する人手不足

 八重山公共職業安定所が発表した2019年度上半期(4~9月)の有効求人倍率は1・65倍で、過去2番目の高水準を記録した。観光を中心に経済が活況を呈していることが背景にあるが、旺盛な求人は、裏返せば深刻な人手不足の表れでもある。人手不足は今や全国的な問題になっているが、特に離島の八重山や宮古では官民が対策に知恵を絞らないと、好調な経済の足を引っ張りかねない。
 新規求人は、やはり観光関係産業が多い。9月のデータを見ると3割以上を宿泊業、飲食サービス業が占める。ほかに医療・福祉、建設業などの求人も目立つ。少子高齢化が進む中、こうした職種は今後も人材の供給が需要に追い付かず、慢性的な人不足が続く可能性が大きい。
 有効求人倍率を地区ごとに見ると、昨年9月から一貫して八重山と宮古が1位と2位を占めている。それだけ先島の観光が好調ということもあるが、狭い離島のために人材確保が難しいことも大きい。
 八重山の場合、高校卒業者のほとんどが島外での進学や就職を希望するため、働き手となる若者がなかなか見つからない。多くの中小零細企業が主要な労働力を島外からのIターンやUターンに頼っている状況だ。
 8日に開かれた沖縄振興開発金融公庫と経済界の懇談会でも、経営者側からクローズアップされたのは人手不足問題だった。港湾などのインフラ整備が進む中、八重山観光はさらに伸長が期待されるが、同時に人手不足も深刻の度が増す。
 「一度は島を出たい」という若者たちの願望は止められないし、豊かな人生経験のためには、広い世界に送り出してやるほうがむしろ望ましい。高校卒業後の若者が島を出て都会に向かう傾向は今後も変わらないと考えられ、島外からの労働力供給をいかに促進するかが八重山の大きな課題だ。

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