【視点】史跡指定 遺跡活用の第一歩に 

 石垣島から太古のロマンが全国に発信されるようなニュースだ。国の文化審議会は15日、白保竿根田原洞穴遺跡を新たな史跡に指定することを文部科学相に答申した。
 日本最古の約2万7千年前とされる人骨が発見された遺跡として有名だが、遺跡の価値に対する理解をさらに深め、学問的な活用を進める機会にしたい。空港を利用する市民や観光客にも周知し、遺跡を活用するための第一歩でもある。
 新石垣空港で飛行機に乗ると、滑走路から飛び立つ直前、窓の向こうにちらりと見える崖のような場所が遺跡の発掘現場だ。
 人骨の出土が報じられたあとも、特に案内板などは設置されず、周囲とさほど変わらない風景のため、関心がない人は見過ごしてしまう。日本の考古学上、画期的な発見があった場所なのに、放置されているように見える状況はかねがね残念だった。
 遺跡が発掘されたのは新空港建設中の2010年。県教育庁の県立埋蔵文化センターが2016年まで調査を進め、ほぼ完全な骨格を含む千点余りの人骨が発見された。
 人骨の年代は旧石器時代から近世に及び、長期にわたって墓域として使用されてきたと推定される。旧石器時代の人骨は埋葬された姿勢まで判明した。
 葬送習俗の長い歴史をたどることができる、文字通りタイムカプセルのような遺跡だ。近世の堆積層からは墓域だけでなく、遺構などの生活痕跡も見つかっている。
 2018年には、2万7千年前の人骨からデジタル技術で生前の顔が復元された。復元された顔は彫りが深く、目鼻や口が中心に集まり、額が広い。日本列島だけでなく、中国南部やベトナムなど南方系の人々の特徴も併せ持っているという。沖縄の人たちの起源をたどる上でも、今後に大きな可能性を秘めた遺跡だ。

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