【視点】人頭税の歴史と離島差別

 宮古島出身の歌手、うえち雄大さんが25日、石垣市を訪れ、各中学校に著書「宮古人頭税物語第2弾 夢の扉」を贈呈した。
 人頭税は琉球王国が宮古、八重山から取り立てた過酷な税制で、納税の能力にかかわらず、住民に頭割りで課されたとされる。琉球王国滅亡後も存続し、1903年(明治36年)に至って廃止されるまで、260年、先島住民を苦しめ続けた。
 うえちさんは歌や著書を通じ、人頭税に苦しめられた祖先たちの歴史と、人頭税廃止に尽力した中村十作らの功績を語り継ぐことをライフワークにしている。琉球王国の象徴でもある首里城が炎上した今、改めて人頭税の歴史に目を向けてほしいと訴える。
 21世紀の今、人頭税の歴史を振り返ることには二つの意味がある。一つは、悪税に呻吟(しんぎん)した祖先たちの苦闘の上に、現在の豊かな生活がある事実を再認識すべきこと。もう一つは、先島地方にのみ課された人頭税は、いわゆる「離島差別」「離島軽視」のルーツと言うことができ、すぐれて現代的な問題であること。
 人権、自由、平等が当たり前のように叫ばれる現在、沖縄本島と離島の関係で、この価値観はどこまで具現化されているのか、問い直す契機でもある。
 この問題意識という点では、宮古島は八重山より徹底しているかも知れない。宮古島には人頭税石(賦測り石)と呼ばれる高さ143センチの石があり、15歳以上で背丈がこの石の高さに達すると、強制的に納税義務が課されたと伝承されている。

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