【視点】「第3波」当面は経済優先維持を

大都市圏を中心に連日千人超の新型コロナウイルス感染者が確認されており、全国的に「第3波」襲来の様相が鮮明だ。玉城デニー知事も20日、県内の現状について「まぎれもなく第3波」との認識を示した。
政府は24日、観光支援事業「GO TОトラベル」の対象から感染状況が特に悪化している札幌、大阪の2市を一時除外し、新規予約を同日から12月15日まで3週間停止。予約済み旅行は12月2日から15日現地着分まで割引を無効とした。
直近1週間で人口10万人あたり新規感染者数が多いのは北海道、大阪、東京の順で、次が沖縄だ。「GО TО」除外の是非は東京でも論議になっているが、沖縄はどうか。玉城知事は判断を見送っている。
だが現時点で、観光客が感染源と思われる事例が少ない上、観光関連業界が「GО TО」に寄せる期待は大きいとの認識を示している。少なくとも当面は、政府に除外を要請する考えはないようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大傾向は、有効なワクチンが開発され、全世界的に普及するまで間断なく続く可能性がある。感染の大きな波が襲来するたび緊急事態宣言を出したり、旅行や営業の自粛を求めていては経済が壊死しかねない。
沖縄は観光が基幹産業であるだけに、なおさら「GО TО」の恩恵を最大限に活用する必要がある。「第1波」「第2波」で得られた感染防止策の知見を踏まえ、「第3波」襲来を深刻に受け止めつつも、当面は経済優先の姿勢を維持しなくてはならない。
ただ、観光客の受け入れや営業継続の前提は、重症者を最小限に抑え、医療崩壊を起こさないことだ。県内の新型コロナウイルス患者による病床占有率は26日現在で7割近くに達し、良くない兆しが表れている。正念場の段階だ。
感染者が出ることはある程度やむを得ないとしても、最低限、高齢者など重症化リスクが高い人は絶対に守る。県民がそうした意識を共有したい。
感染拡大に備えた医療体制の整備などは国や都道府県、自治体の仕事だが、感染を予防する行動を取れるかどうかは第一に自己責任だ。県民の自制心が問われている。
離島の八重山では15日以来、感染者は確認されておらず、感染状況は「落ち着いている」とされる。26日時点で、感染症指定医療機関である県立八重山病院の入院患者も2人に減った。だが沖縄本島の感染拡大が飛び火しないとは限らず、緊張感を持って事態を注視したい。

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