【視点】本末転倒な知事の尖閣発言

 知事の言動は、知事が政策の柱に掲げる米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止にも悪影響を及ぼすだろう。
 辺野古移設を阻止するには、知事の主張に対する理解を沖縄だけでなく、全国へ広げなくてはならない。しかし本土住民は「沖縄は中国の脅威に対して最前線に位置するのに、安全保障問題をどう考えているのか」といぶかっている。知事は、辺野古移設がなくても抑止力を維持し、普天間の危険性を除去できる理由を説明しなくてはならない。
 しかし本土住民が納得する答えを示すどころか、逆に尖閣問題で当事者意識の欠如を暴露してしまった。先日の訪中でも「沖縄を一帯一路に活用してほしい」と述べ、安全保障に対する無定見をさらけ出した。知事の訴えは、ますます説得力を失うだろう。これで本当に辺野古移設を阻止できるのか。
 悲惨な沖縄戦の体験を踏まえ、沖縄では、辺野古移設に反対することが平和運動だという誤解がはびこっている。知事の主張は、県内でこそ一定の支持を得ることができる。しかし政府は安全保障問題に対し、沖縄県民よりはるかにシビアだ。
 知事発言を受け、この日官邸で開かれた菅義偉官房長官の記者会見では、記者から「玉城知事のように抑制的にやることは、むしろ中国のさらなる侵略を招きかねない」と危惧する質問が出た。知事発言の波紋は東京でも広がっている。
 玉城知事は、翁長雄志前知事の急逝を受け、ピンチヒッターとして昨年の知事選に出馬した。果たして十分な準備を経て知事職に就いたのだろうか。8カ月を経たが、いまだ、ちぐはぐさが拭えない。

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