【視点】鎮魂の季節迎える沖縄

 沖縄にとって鎮魂の季節である6月を迎えた。沖縄戦終結の日とされる23日の「慰霊の日」には、県主催の全戦没者追悼式が開かれる。過酷な体験を継承し、沖縄から恒久平和を発信する機会にしたい。
 沖縄戦の戦没者は米軍1万2520人、沖縄出身者を含む日本軍約9万4000人、住民9万4000人とされる。その沖縄戦の開始は、学校での平和学習でも、新聞やテレビでも、1945年(昭和20年)3月26日、米軍の慶良間諸島上陸とされ続けてきた。
 しかし、こうした理解は不十分だ。実際には米軍上陸の直前、石垣島から出撃した島出身の伊舍堂用久大尉(特攻後、中佐に昇進)率いる特攻隊が米艦隊を攻撃し、沖縄戦の火ぶたを切ったのである。
 沖縄戦の歴史を語る時、故郷を守るため出撃した先人の存在を忘れてはいけない。現状は八重山住民として心苦しい限りだし、特攻をタブー視し、伊舍堂大尉に触れることを避けてきた教育現場やメディアの責任は大きい。正しい歴史の継承に努めてもらいたい。
 県内の教育現場は6月を「平和月間」と位置付け、集中的に平和学習を進める。十数年前までは、体験者の講話を聴く授業が各学校で一般的に行われていた。しかし沖縄戦から74年が経過した今、当時をリアルタイムで語れる人は少ない。私たちが生々しい体験談に接することができる時間は限られている。
 戦争を知らない世代が、戦争をいかに伝えるか。これからの平和教育は、各学校の取り組みや、教員の力量によってレベルの差が明確になってくるはずだ。

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