3氏、経済・基地政策で論戦 防衛「抑止力」「対話」違い鮮明 沖縄県知事選2026
討論会に臨む(右から)下地氏、玉城氏、古謝氏=23日夜、那覇市内(選挙ドットコム提供)
8月27日告示、9月13日投開票の沖縄県知事選を前に、立候補を予定する現職の玉城デニー氏(66)、いずれも新人で元那覇市副市長の古謝玄太氏(42)、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(65)の3人は23日、那覇市内で開かれた選挙・政治ネット番組「選挙ドットコム」主催の討論会に出席し、経済政策や米軍基地問題、防衛政策などを巡って意見を交わした。県民所得の向上や離島振興では共通する認識を示す一方、基地負担軽減や安全保障を巡っては立場の違いが浮かんだ。
経済政策では、玉城氏が古謝氏に対し、参政党との政策協定に盛り込まれた外国人労働力への依存を避ける項目について、経済界との整合性を質問。古謝氏は外国人労働力全体を否定するものではなく、安価な外国人労働力への依存で県民の賃金上昇を圧迫することを避ける趣旨だと説明した。
下地氏は「沖縄ファースト」を掲げ、県内企業に仕事を回すことを主張。土地利用の見直しや民間投資の促進、造船業などの育成を提案し、まずは県内の中小零細企業の底上げを優先するとした。
古謝氏も一次産業や観光など既存産業に加え、新たな産業を育て、県民所得を高める必要性を指摘。玉城氏は観光業などの人手不足を念頭に外国人材の活用を進めるとともに、通信関連産業などを育成し、県民の「稼ぐ力」を高める考えを示した。
沖縄振興予算を巡っては、コメンテーターから今後の振興予算への考えを問われ、古謝氏が県と政府との交渉力を問題視。「対立に終始をして、交渉ができていない」と指摘した。玉城氏は3000億円台の要求について、必要な事業を積み上げたものだと説明。下地氏は沖縄振興の背景には米軍基地の過重負担があるとし、「政府がこれだけ1000億円の予算を切るという根拠がどこにあるのか」と疑問を呈した。
基地問題では、古謝氏が玉城氏に、辺野古移設に反対し県外・国外移設も具体的に示さないのであれば「普天間飛行場は動かないのではないか」と質問。玉城氏は普天間の危険性除去を最優先に、訓練のグアムや県外への移転などを進める考えを示した。
古謝氏はこれに対し、「対話を8年続けて求め続けて動かなかったものが、同じ姿勢でこれから4年、動くとは到底思えない」と反論。辺野古移設を容認する立場を改めて示し、現在の計画を12年で完了させることを大前提に、工事期間中も可能な範囲で訓練機能を先行移転し、普天間の負担を少しでも軽減する考えを示した。
下地氏は基地や自衛隊施設の新設を巡り、防衛省と県との「事前協議」が必要だと指摘。県が納得した上で離島などの防衛体制を構築し、県民の理解を得るべきだと主張した。
防衛政策では、コメンテーターから南西地域の防衛強化への考えを問われ、下地氏は「専守防衛」の徹底を主張。自衛隊の対空・対艦ミサイルなどの整備を進める考えを示した。玉城氏は、南西地域へのミサイル部隊配備などが住民の理解がないまま進んでいるとして、「抑止力を強くすることだけが計画ありきになっている」と批判し、対話による平和構築を重視する考えを示した。
古謝氏は「まずは外交が必要」としながらも、「自衛の力というのも必要」「抑止力、これも認めたい」と主張。日米安保体制や自衛隊の抑止力を認めつつ、全国の米軍専用施設の約7割が集中する沖縄の基地負担について、政府や国民に「広く負担をし合う」ことを求めていく考えを示した。