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基礎票で優位も無党派課題 新スタイルで政策アピール 古謝陣営 知事選情勢② 

2026/08/26 07:00

女性部の総決起大会で気勢を上げる古謝氏(中央)と支持者=18日、那覇市

▽背中見えず

「これだけ多くの皆さんに支えられているにもかかわらず、まだまだ(相手の)背中が見えていない。痛恨の極み。大変申し訳なく思っている」

20日、浦添市で開かれた総決起大会で、新人、古謝玄太氏は声を振り絞った。

政権与党の自民党、維新だけでなく、国民民主党、参政党、公明党県本部、日本保守党と、与野党を横断する支援体制を構築した古謝陣営。革新勢力に支えられる現職、玉城デニー氏に対し、基礎票では優位に立ちつつある。

だが、民間会社や自民党が告示前に実施した複数の世論調査では、軒並み「玉城氏がリードしている」(関係者)とされる。古謝氏は保守層を固めつつあるものの、巨大なマス層である無党派層への浸透で、玉城氏の後塵を拝している。

那覇市出身の古謝氏は東大卒業後、総務官僚となり、地方へも出向するなど行政経験を積んだ。だが政治家としては2022年の参院選に出馬し、惜敗しただけ。この4年間、那覇市副市長として顔を売ったものの、百戦錬磨の現職と対峙するには「知名度が不足している」「政治家としての印象が薄い」と指摘され続けてきた。

▽政権与党

だが選挙戦に向け、古謝氏は現職と比較しての若さやキャリア不足を逆手に取るような戦略を展開している。

8月14日の政策発表記者会見は、ヘッドマイクを装着してフリーハンドで壇上に立ち、メモを見ずに説明するスタイル。企業経営者のプレゼンテーションを意識した。

支持者の集会でもプロジェクターで資料をスクリーンに投影し、視覚的に分かりやすく政策をアピールするなど、旧来の政治家との「違い」を際立たせる。

政策の目玉にはインパクトを狙い、思い切って「県民所得の倍増」を打ち出した。県民の関心が高い経済振興や暮らしの向上に焦点を絞った形で、古謝氏は「国との対立で停滞した県政を刷新する」と訴える。

政権与党も知事選を重視。繰り返し沖縄入りしている自民党の西村康稔選対委員長は「彼一人でできないことは与党がついている。全力で彼の公約実現を応援する」と全面的なバックアップを表明した。

告示直前になると、SNSでは玉城氏と古謝氏の差が詰まっているとする世論調査の情報が出回り始めた。

玉城陣営の事務総長を務める新垣邦男前衆院議員は、22日に宜野湾市で開いた総決起大会で選挙情勢に言及。玉城氏と古謝氏が「本当に拮抗している」と述べ、自陣営の手綱を締め直した。古謝氏の「猛追」を意識した発言と見られる。

▽夫人を〝活用〟

古謝氏の課題とされる女性や中高年層の取り込みにも、強力な〝武器〟が現れた。

「出会った学生時代から、彼はずっと『将来はふるさと沖縄のために力を尽くしたい」と申していた。20年間、その思いは強くなるばかり」

18日に那覇市で開かれた女性部の総決起大会で、古謝氏の亜希子夫人が切々と支持者に語り掛けた。

保育園児から大学生まで5人の子を育てる亜希子夫人には、同性の共感が集まる。さまざまな集会で、時に涙をこえらえるように話す亜希子夫人のスピーチは、SNSでも話題になった。

陣営は支持者の要望に応じて亜希子夫人を会社やランチ会に訪問させるなど、選挙戦で夫人の人気を積極的に「活用」する方針だ。 (終わり)(仲新城誠)