候補者に聞く 沖縄県知事選2026
インタビューに応じる古謝氏㊨=24日、那覇市、インタビューに応じる玉城氏㊧=29日、那覇市
八重山、宮古の報道各社は29日までに、県知事選に立候補した新人で元那覇副市長の古謝玄太氏(42)=自民、維新、国民民主、参政、保守、公明県本部推薦=、現職で3期目を目指す玉城デニー氏(66)に政策などをインタビューした。質問事項は①知事選の争点②最も訴えたい政策③宮古・八重山の課題と解決策④物価高や経済対策⑤南西シフトと長射程ミサイル配備について⑥住民避難計画⑦特定利用空港の指定について⑧辺野古移設⑨平和学習のあり方と文科省の政治的中立性に違反認定⑩玉城県政2期8年の評価⑪高市政権の評価⑫他候補との違い―の12点。選挙戦は他にも4人が立候補しているが、事実上の両氏の一騎打ちとなっている。
「子どもが夢を諦めない社会を」 古謝玄太氏
①争点は候補者やメディアが決めるものではない。私としては、暮らしと経済を前に進められるかが重要。県民所得の全国との格差は広がり、物価高が暮らしを直撃する。今の県政は停滞している。
②最も訴えたいのは暮らしと経済。直接給付や物流コスト低減を進める。中長期的には所得向上が必要で、県民所得を2036年までに500万円水準へ引き上げる。DX、AI、観光の質向上、新産業創出に取り組む。
③離島では人流・物流コスト、住宅不足、医師や看護師らの確保が課題。宮古、八重山知事室を設置し、現地の声を聞く。県が主導すべき課題と、市町村を支える課題の両面から取り組む。
④物価高対策は直接給付と価格引き下げを併用する。物流費やエネルギー価格の低減を進める。「新5K経済」で観光に加え、健康、海洋、環境、企業創業など新たな産業を育てる。
⑤安全保障環境は厳しく、一定の自衛力、抑止力は必要。南西シフトは理解するが、基地負担軽減とのバランスや地元の理解が必要。長射程ミサイルは現時点で沖縄への配備は不要と考える。
⑥住民避難計画は万が一への備えとして必要。ただ、先島では船や航空機、天候、輸送力など課題が多い。国の責任を明確にし、実効性ある計画を求める。
⑦特定利用空港は認める立場。平時の施設整備や災害対応にも必要。ただ、民間利用が制限されないことや地元への丁寧な説明を求める。
⑧辺野古移設は容認する。唯一の解決策とは考えないが、工事が進み、他に具体案がない現状では、最も早い普天間の危険性除去策と考える。
⑨事故で亡くなった2人に哀悼の意を表する。文科省の政治的中立性違反との認定には一定理解する。沖縄戦の歴史は伝えるべきで、基地問題などは双方の考えを学び、主体的に考える機会が重要。
⑩玉城県政は評価しない。県民所得の格差、インフラ整備、鉄軌道、基地問題など、全ての分野で前に進んでこなかった停滞の県政と考える。
⑪高市政権は一部評価する。経済政策は評価できるが、沖縄の基地負担軽減は見えない。対立か追従かではなく、沖縄政策協議会を再開し、国と交渉する。
⑫強みは若さとつなぐ力。島々を飛び回り課題を聞き、県政と経済界、市町村、県民、中央政府をつなぐ。有言実行の県政をつくり、子どもたちが夢を諦めない社会を目指す。
「誰一人取り残さない社会を」 玉城デニー氏
①現職として2期8年の県政の評価を県民に委ねる。危機対応に追われながらも経済再生に取り組み、観光収入は1兆円を超え、県税収入も過去最高となった。この実績を判断してほしい。
②「ヒューマンインフラ改革」。誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会をつくる。命を守る、暮らしを支える、未来を開くを基本に、制度からこぼれる人を支える「ゆいまーる基金」を創設する。南北鉄軌道も4年以内の事業着手を目指す。
③割高な交通・生活コストが課題。航空路や航路の負担軽減をさらに進め、専門医の巡回、医師・看護師の住宅整備、遠隔医療・教育を充実させる。島に住み、働き続けられる基盤をつくる。
④9月県議会でも支援策を進める。「ザル経済」から脱却し、賃上げする中小企業への社会保険料支援やIT・DXを進め、所得向上と雇用維持を両立する。
⑤これ以上の先島への自衛隊配備はいらない。長射程ミサイルは敵基地攻撃能力につながり、攻撃目標となる恐れがある。地域の緊張を高めるミサイル強化には反対する。
⑥万が一に備え、避難計画は一定必要。ただ、計画ありきではいけない。島に残りたいという住民の声も尊重し、受け入れ先の負担を含めて実効性を議論する。
⑦民間空港・港湾は民生利用が基本。米軍や自衛隊の使用を前提とする整備は趣旨が違う。下地島空港の民間機使用に関する確認を堅持し、那覇空港も慎重に検討する。
⑧明確に反対。新基地建設には最短でも約12年を要し、普天間返還の条件にも不透明さがある。那覇空港を米軍が使用する余地もなく、県外・国外移設を求める。
⑨文科省の政治的中立性違反との判断は踏み込みすぎで不適切。教育への過度な介入は平和教育の萎縮につながる。事故の再発防止と安全管理を徹底し、平和学習を続ける。
⑩評価は県民に委ねる。命と暮らしを守るため全力を尽くし、子どもの貧困対策などで成果を上げた。自己採点なら80点。取り組みをさらに進める。
⑪評価できない。辺野古新基地建設や南西シフトを、住民への十分な説明なしに進めている。基地負担軽減への取り組みも見えない。高市総理に協議を求めたが、十分な応答はない。
⑫米国人の父と伊江島出身の母の間に生まれ、二人の母に育てられた経験が、多様性や人権を尊重する考えの基盤。誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会をつくる。