就航前赤字2億4500万円 商船やいま連結決算を報告 市長「市の将来に必要」 石垣市議会
商船やいまの連結決算に関する質問に答弁する中山市長=29日午前、石垣市議会
石垣市は29日の市議会9月定例会本会議で、石垣港ー台湾基隆港定期航路を運航する第三セクターの株式会社商船やいま(大濱達也代表取締役)と子会社の2025年4月1日~26年3月31日の連結決算を報告した。それによると、就航前の準備費用だけで単年度赤字が2億4582万円となった。定期航路は26年5月の就航後、わずか4カ月で一時停止が決まっているが、中山義隆市長は「この事業は石垣市の将来のために必要な事業と認識している」と述べ、運航再開に向けて同社への支援を続ける考えを示した。
同社には市が1千万円出資しており、市は地方自治法によって経営状況を議会に報告する義務がある。2024年の設立後、議会への経営状況報告は初めて。
同社は事業全体の企画運営や資金調達を担い、貨客船「やいま丸」は子会社のパナマ法人が所有する仕組みになっており、子会社の経営状況については議会への報告義務はない。
ただ、市は「商船やいま単体の決算だけでは資産や費用の全体像が見えない」として、親会社と子会社を一つの企業グループとして連結決算を報告した。
それによると、同社の資産は約36億4千万円で、このうち船体の購入、改修整備などに投入した約32億8815万円を固定資産として計上している。
負債は約38億4500万円で、内訳は長期借入金9億円、船舶長期未払金21億円、船舶未払金5億円など。連結純資産は約2億510万円のマイナスとなった。
今期の支出は海運業費用が約3億2255万円で、内訳は燃料費約8540万円、船員費約1億1271万円、船舶保険料約3953万円、船舶消耗品費約821万円、回航費約7529万円。
販売費・一般管理費は約4963万円で、内訳は手数料、委託料、専門家報酬などとなっている。海運業費用、販売費・一般管理費、営業外費用を合計した経常損失は約3億8568万円だった。
運航前のため、海運業収入はゼロだったが、補助金収入が約1億4075万円あり、最終的に約2億4582万円の単年度赤字を計上した。
「やいま丸」が運航を開始したのは今年5月28日だった。連結決算は運航開始前の段階で、船舶取得、整備、回航、就航準備などにどれだけの資金を投入したかを示す決算となる。
石垣・基隆定期フェリー航路開設準備課の野崎雅治課長は「燃料費、船員費、港湾費、代理店費、修繕費など、毎回必要な費用が契約上適正な水準か精査している。収入面では旅客だけでなく貨物収入の早期確立が重要。関係機関と調整し、貨物取り扱いを早期にスタートできるよう取り組みたい」と述べた。