急転直下の保守分裂回避 自民主導か、玉城陣営は反発 知事選
下地氏の出馬辞退を受け、報道陣の取材に答える玉城陣営の山内事務局長=25日夜、那覇市
沖縄県知事選の告示まで2日に迫った25日、下地幹郎氏が急転直下の出馬辞退を明らかにした。下地氏は立候補に向け街頭演説を重ね、公開討論会などの日程も精力的にこなしてきただけに、玉城デニー、古謝玄太の両陣営には驚きが広がる。保守分裂が回避されたことは古謝氏に有利な材料になると見られ、玉城陣営は反発している。
「(下地氏の出馬辞退は)事前には知らなかった。政策協定の詳しい内容も聞いていない」
自民県連の幹部は25日夜、声を上ずらせた。下地氏と自民党の政策協定は自民党本部の主導で進んだと見られ、下地氏の突然の発表に「コメントのしようがない」と戸惑う。
高市早苗首相は9月の知事選直後に内閣改造を予定していると伝えられ、政権の今後を占う試金石として知事選を重視。事前の情勢調査では玉城氏と古謝氏が接戦になっているとされ、下地氏が持つ保守票が勝敗の行方を左右しかねないとの観測が流れる。
下地氏は自民党の衆院議員だったが、離党後は維新などを転々とした。一時は自民党への復党を願い出たが、党県連の反対で実現しなかった。
下地氏は25日、東京の自民党本部で政策協定を結んだと見られる。下地氏とほぼ断絶状態の党県連に代わり、党本部が独自のパイプを生かして下地氏の説得に乗り出した可能性がある。
下地氏は3回目の知事選出馬になるはずだったが、過去2回は5~6万票台にとどまり、今回も当選の可能性は薄いと見られていた。
自民党と政策協定を結んだことで、下地氏は古謝氏の支援に回る可能性が高い。ただ県議会では下地氏を支持する県議が玉城県政の与党になっているなど一筋縄ではいかない事情もある。自民県連の幹部は「楽観視は危険だ。油断せず運動を進める」と気を引き締める。
玉城陣営には下地氏の出馬による保守分裂に期待感があったが、土壇場になって選挙戦は事実上の一騎打ちに逆戻りした。
25日夜、報道陣の取材に応じた玉城陣営の山内末子事務局長は「自民党と政策協定を結んで立候補を取りやめるということは、あまりにも民主主義の根幹である選挙がないがしろにされている。県民からするとゲーム感覚のようだ」と批判。
その上で「今後は県民党と自民党の構図になっていくのかなと思っている。沖縄の未来を決めるのは自民党ではなく県民だ。(下地氏は)期待を裏切った形になるのではないか」とも述べた。